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「カルビーお客様相談室」 クレーム客をファンに変える仕組み [経営に役立つ]

先日、「クレーム対応」についての勉強会に出ました。さまざまな事例があり、勉強になりました。

そのこともあって、クレームをもらえるということはそれはそれで、貴重なことと思っています。

 

クレームを役立てれば良いということはビジネスパーソンにとっては常識ですが、それを実際の仕組みにできている会社はあまりないのではないでしょうか。

本書はその仕組み作りのための情報をあますところなく、開示しています。開示されてもそれはあくまでもヒントや前例なので、自社で作るには同じように試行錯誤を繰り返すしかありません。

 

「クレームは良薬のように、きちんと飲めば確実に効く」と感じました。

 

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カルビーお客様相談室 クレーム客をファンに変える仕組み

カルビーお客様相談室 クレーム客をファンに変える仕組み

  • 作者: カルビーお客様相談室
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2017/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

1)お客様の声は商品の不具合から新商品希望の要望まで様々なものがある。

カルビーには年間3万件以上のお客の声が寄せられる。

カルビーのお客の声のうち、クレーム等は3割で残りは意見、要望の相談である。

お客の要求水準が以前よりも高度になっており、他の食品メーカーでも増加している。

 

2)SNSも種類により特色があり、企業にとってのソーシャルメディア戦略が難しくなっている。

 ・マスメディア以外にHP,SNSなどの複数の接点があるお客の満足度好感度が高くなる社内調査結果がある。

お客の対応がすぐにSNSなどで広まり、売上に影響する傾向が無視できない時代になった。

ネット社会では、小売業者がメーカーのお客様対応に注力するようになってきた。

 

3)ヘビーユーザーは普通の人なら気がつかないような高いレベルでの不具合を教えてくれる。

わざわざ苦情やクレームを伝えるお客は、企業や商品に対して何らかの期待がある。

多くの企業ではFAQや定型的な業務をまとめマニュアル通りの対応をしていることが多い。

 

4)従来の一般的な企業ではお客様相談室が顧客や商品のトラブルを収める部署という認識だった。

お客から聞き出した改善改良のヒントを関係部署に伝えても、何の回答もリアクションもない。

会社の部署はお客の声を重要に思いつつも、その「生の声」を直接には聞いていない。

VOCの受け手が通常業務に追われていると、どうしても対応の優先度が低く、話が流れやすい。

 

5)お客様相談室はお客の声を企業活動に取り入れる窓口となり会社を動かすきっかけ作りをする役割がある。

お客様相談室にはVOCを社内担当部署に伝える役目がある。

お客の声から商品、サービスを改善改良し、企業ブランドや商品力の強化することが求められる。

お客とのやりとりの中で、お客の真意を見抜くには、言葉の背後にある心情を察するしか方法はない。

「クレーム処理」はお客の不満を鎮め、「ご指摘の対応」はお客に満足感を提供するという違いがある。

 

6)カルビーお客様相談室は相談、指摘対応窓口ではなく、「ファン作り」を担う部署と位置づけている。

お客の情報は5W1Hで確認し、「カルテ」を作って情報共有している。

報告書、代品をを送るだけでなく、送る前や後に電話を入れてファンになるよう対応を実施している。

お客様相談員が工場の品質保証会議に参加したり、クレームがあった工場を自らパトロールしている。

お客へのクレーム報告書は写真やイラストを添えて、ビジュアルでわかりやすくする。

社内だけでなく、消費者庁など行政と連携した情報収集も重要になっている。

カルビーはお客の指摘に対して、前例などからの慣れや思い込みをしない回答をしている。

カルビーでは担当、関係部署ははなく、「全従業員がお客の生の声」を聞くことにした。

カルビーで働く社員自身が自社のファンになっている。

 

7)カルビーのかっぱえびせん塩分50%カットはお客の声から作られた。

カルビーではパッケージの表現を変えただけで、お客の声が以前の2倍になった。


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